こんにちは、マナビ(学び)です。
通関士って士業であり、日本の貿易業界唯一の国家資格でありながらまだまだマイナーですよね。
まずは通関士という職業があることを知って頂ければと思います。
今回は通関士の仕事の内容。。。
というよりそもそも、
通関士って何・・・???
通関って何・・・???
通関士になるにはまずは国家資格である、『通関士試験』に合格しないといけないの・・・???
実際の仕事場所や就職先・就職状況はどうなの・・・???
最初はこういった基本的な部分に疑問を持たれる方も多いかと思いますので、上記のようなところから、もう少し具体的な仕事内容にまで話を広げて、できるだけ簡単に話していきたいと思います。
『ちなみに私は、今まで通関士の事を全く知らなかった方々に少しでもこの仕事の事を認知して頂きたく、そういった方々にも分かって頂けるように、なるべく簡単でシンプルな説明を心がけています。
すでに通関士試験の勉強をされている方や、実務の経験者の方々につきましては、その点ご了承下さい。』
尚、そもそも通関士と名乗るには、まずは国家資格である通関士試験に合格しなければなりません。
通関士試験に関して詳しく知りたい方は、こちらに簡単にまとめてます☟
通関士試験の勉強法や通関業界への就職等のご相談等はこちらまで☟
そもそも通関とは

みなさん通関って聞いて何か分かります?
おそらくほとんどの人がつう・・かん・・??って感じだと思います。
ですのでまず通関について説明します。
通関とは:貿易において貨物を輸入及び輸出をしようとする者が、税関官署に対して、貨物の品名、種類、数量、価格などに関する事項を申告し、必要な検査を受けた後に、輸入の場合は関税など必要な税金を納付させ、税関から輸出入の許可を受ける手続き。
wikipedia一部引用
どうでしょう・・・分かりますか?まだちょっと分かりずらいですよね・・
もっと簡単に言うと、
日本の商品を海外に出す(輸出)
海外の商品を日本に引き取る(輸入)
する際に、好き勝手に出来る訳ではなくその商品をきちんと税関に対して、こういう物を輸出・輸入しますよっていうのを申告しなければならないのです。
そのうえで、怪しい物ではありませんよ~ってことで税関から許可をもらうことが出来るんですね。
この申告から許可を得て、物が日本や海外で流通できるようにしてあげる一連の手続きの事を、通関手続き、つまり通関といいます。
日本では、基本的にはこの通関手続きを踏まないと輸出も輸入もできません。
それだけに貿易をしてビジネスをやろうという会社や個人にしても避けては通れないものになっています。
通関士の仕事内容とは

じゃあ通関士の仕事内容って??
それでは通関士の具体的な仕事内容とはどういったものなのでしょうか。先ほども言った通り、物を輸出入するにはまず通関をしなければならないのですが、この通関という作業はなかなかに専門知識を求められる分野です。
ですので、メーカーや商社などが輸出入をする際に、この複雑で面倒とも言える通関手続きを委託するわけです。
その委託先が通関業者であり通関士なのです。
委託を受けた通関業者は、仕事を貰った訳ですから荷主(輸出入者)の要望通りに貨物を許可してあげなければなりません。
通関士は荷主より貰った書類(インボイスやパッキングリストと呼ばれる書類などです)を元に書類を作成していきます。
この書類の作成に専門知識が必要な訳ですね。
(商品分類の知識、関税法その他法令の知識、原産地規則等の知識などなど。。。あげだしたらきりがありません)この辺りについてはまた別の記事でそれぞれ取り上げていきたいと思います。
インボイス、パッキングリストに関する記事はこちら☟
そして、書類が完成したら通関士の審査を行います。
チェックと言ったりしますが法律上通関士の審査と呼ばれるものです。
だいたいの会社はダブルチェックの体制をとっているのではないでしょうか。
ここでは、他の通関士が作成した書類にミスがないか慎重に見ていきます。
審査が終わり申告の準備ができてやっと申告ができる段階に入りました
(細かい事を言えば、貨物の搬入状況、他法令、原産地、商品カタログなどなど申告までに準備しておくことはたくさんあります)
申告は現状ほとんどがNACCSというシステムを使って行います。
昔は紙で申告書やら関係書類一式を税関に持ち込んでいた時代もあったみたいですが、現在はペーパーレス化が進みパソコンでこのNACCSを使って一瞬で申告自体はできるようになりました。
NACCSについてもいずれ記事にしますがとりあえずこちらを参考まで。
NACCSについての記事はこちら☟
これで即時許可となればOKです
ですが、書類審査や税関検査にあたってしまうともう少し許可まで時間がかかる事になります。
この辺りも後々詳しく書きたいのでざっくり説明すると、
- 即時許可(区分1)
- 書類審査(区分2)
- 検査(区分3)
といったように申告後3種類に区分が分かれ即時許可(区分1)以外は、書類を税関に提出(今はそれもNACCSでできます)で許可。
さらに、検査の場合は通関士立会いのもと税関職員が実際に貨物を見てから許可という流れになります。
以上がおおまかに書類を受けてから許可に至るまでの大まかな流れであり、それを一日に何十件以上こなす事こそが通関士の仕事内容の日常なのです。
通関士になるには

国家資格である通関士試験に合格しなければなりません
では、通関士になるには具体的にどうしたらいいのか??
そもそも通関士は国家資格ですのでこの試験に合格する必要があります。
財務省管轄の国家資格で年1回、毎年10月の第一日曜日が試験日となる事が多いです。(2018年度は祝日の関係の為か第二日曜日となってます)
通関士試験に関しては、私自身、独学+資格の予備校教材+通信の教材を利用した経験があり、対策等も含めて別カテゴリの記事にしていきたいと思いますのでそちらをご覧下さい。
通関士試験に興味のある方や受験をお考えの方へ
独学で通関士試験の勉強をお考えの方へのおすすめの参考書
尚、独学をお考えならまずは試験傾向について分析しなければなりません。
そして参考書や過去問が必要です。
その際に教材選びを誤らない事が重要なのですが、過去10年の過去問全てに目を通し、私なりに現在の通関士試験を分析し、現状出版されている中で最もお勧めできるという参考書等を紹介しておきますので、興味のある方は一度ご覧になって見て下さい☟
そしてこちらの参考書。。。というか実務書レベルの本です。
通関士試験の指針といいますが、通関士になり実務書としても使っていきたいという方はこちらもおすすめです。
リンクは現状出版の最新年度のものになりますが、マーケットプレイスなどで中古品を狙うのもありだと思います☟
資格予備校等の利用も視野に入れている方へ
独学以外をお考えの方などは資格予備校もありますので、まず無料の資料請求などしてみるのをお勧めします。
なぜかというとその無料資料に結構通関士試験について詳しく書いてくれているからです。
無料で試験情報がや講座の内容を見比べられるのでお得です。
又、独学で頑張ってはいるもののなかなか特定の科目だけ点が伸びないなどなど・・・・・
特に通関実務科目のみ、後数点足りずに何年も苦渋を飲んでいるというような方も多いかと思います。
そういった伸び悩みを感じている方などは、『独学+α』で資格予備校のノウハウを買ってしまう方が時間的にも効率的と言えます。
『通関士』の講座がある資格予備校一覧
そういった勉強のやり方もあるので通関士の講座を扱っていて、かつ、資料請求だけなら無料の資格予備校をいくつか紹介しておきます。
特に初学者の方は勉強の導入部分を補助してくれますし、あと少しの所でなかなか合格できないで悩んでいる方などは、『独学+α』で利用する事で何か得るものがあるかもしれませんので、一度検討してみるのもありではないかなと思います☟
尚、参考までに、
税関HP→輸出入手続→通関士試験からこれまでの試験の結果や公告等を見る事ができます。
ここで注意してほしいのは、通関士試験合格=通関士とは名乗れる訳ではないという事です。
通関士としての業務を行う為には財務大臣(税関長)の確認が必要であり、通関士試験合格はあくまでその権利を得たという段階です。
ただし、資格がなくても通関業務従業者として税関に登録しておけば通関業務に従事する事ができます。
通関士の審査や申告ができない等、一定の制限はありますが資格が無いからと言って実務経験が積めないわけではないという事も覚えておいてください。(従業者として実務経験を積みながら試験合格を目指す道も十分あるという事です。)
そして、この通関業務従業者として税関に登録しておけば、その年数に応じて、通関士試験の科目免除者の対象ともなります。(1科目免除は通算5年、2科目免除は通算15年) 詳細はこちら
試験は年1回しかありません。
私自身、資格無し実務経験無しの状態からこの業界に飛び込み、従業者として実務経験を積みながら通関士試験合格に至りましたので、そういった方法も十分あるという事も覚えておいて下さい。
通関士の職場は?

通関士の働く場所は基本的に通関業者での勤務
通関士の資格を目的はその人によって様々です。
自分の知識向上、キャリアアップ、資格マニアの方、会社から資格手当が貰える等々、現役の通関士としてバリバリとやっていきたいという方以外にも資格取得されている方は大勢います。
そして通関士の資格を生かして会社を選びたいというのならまた、様々です。
通関業者はもちろん、商社、メーカー、フォワーダー、倉庫会社などなど貿易に携わる会社であればどこでもある程度勉強した知識は活かす事ができますし会社もある程度評価はしてくれると思います。
貿易実務関係のお仕事であれば取得しておいて損のない資格とも言えます。
通関士として確認を受けて現役の通関士になりたいんだ!!
という方であればやはり通関業者(乙仲とも業界では言ったりもします)になってくるのではないでしょうか。
なぜならやはり、通関業務をやりたくてこの資格を取得するのであれば、通関業者の通関部署に入り、会社から通関士の確認若しくは通関業務従業者としての登録をしてもらわなければ法律上の通関業務には従事できないからです。
今の時代インターネットで簡単に求人も検索できますから一度検索だけでもしてみてください。
例えば、○○(就業したい場所) 通関 求人 で検索すると結構ヒットしてきます。
この時のポイントは通関士と入れないほうが幅広く探せるという点。
実務経験のある通関士資格保有者が、そんなに多数いるわけではないという事は会社側もわかっていますから、通関業者の人事や通関部署も、資格はなくても実務経験があればOK、
若しくは資格、経験共に無くてもあるやる気がある人材を求めていたりもするんです。
その場合通関士と限定する必要はありません。
ちょっとした求人探しの際のコツです。
転職サイトやエージェントをうまく活用してみましょう
今の時代情報社会ですので、転職サイトやエージェントをうまく活用し、情報を仕入れつつ活動をするのもいいかと思います。
中には自分にピッタリな求人が隠れていたりする事もあるので、就職・転職活動をすると決めたのなら、チャンスを逃さない為にも、とりあえず複数の転職サイトやエージェントに登録だけでもしておく事をお勧めします。
おすすめの転職サイト・エージェント一覧
まずは『登録だけなら無料』のほうが安心だと思います。
『いくつか登録してどんどん行動していく』これが個人的にお勧めです。
いくつかの転職サイトなどに登録し、求人を見て、実際の求人の条件などなど、より具体的にイメージできるようになってくると思います。
下記にいくつか『登録無料かつ、利用も無料』で安心できるメジャーな転職サイト・エージェント一覧のリンクを貼っておきます☟

Aidem Smart Agent 既卒・フリーター・第二新卒向け

市場価値診断ならMIIDAS(ミイダス)!

未経験から通関士の仕事に就きたいと思う方は、こちらの記事も一度見ておいて頂ければ幸いです☟
私が思うに、学生さんでもない限り社会人の方は皆働いているわけで、現状、他業種ではあるが通関士の仕事に興味があるというのでしたら、未経験で資格無しでも面接くらいはしてくれるという会社を探しつつ試験勉強をするのが最も自分の為にはなると思うんです。
社会人で別業種で働いているのであればどうせ資格試験の勉強だけに集中するというのはなかなか難しいのには変わりありませんしね。
実際私がそういう道を辿ってきたから言うのかもしれませんが、やはり実務経験を積みながらその実務に直結した資格を取るというのが理想的だと思います。
最後に、少し現在の通関業界のお話しでも

通関士という職業の認知度について私の思うところ
以上、私の経験も踏まえて簡単にではありますが、通関士の仕事内容について書かせて頂きました。
各分野に絞れば、それだけでまだまだ書く事はたくさんありますので、これから少しづつにはなりますが記事にしていければなと思います。
通関士試験にしても、実際の通関士の仕事現場にしても、これだけインターネットが普及した現在においても、まだまだ情報が少ないなぁ・・・というのが私の思いです。
特に、通関士の実際の仕事現場のリアルなところなどは、ほとんど情報が無く、実際自分がこの仕事に向いているのかどうかさえ、なかなか判断しにくいのではないでしょうか??
なぜ分かるのか???
私がそうだったからです!!!
ほんとにこの仕事って自分にあってるのかなぁ・・・
そもそも自分がこなせる仕事内容なんだろうか・・・
今となっては、そんな頃もあったなぁという、私にとっては懐かしい話しですが、当時は真剣に悩んだものです。
やはり、どの業界でもそうですが現役の人間が情報発信しないと、なかなか認知度も上がらないものですね。
今現在、まだまだ通関士の認知度がそれ程高くないという事は、これまで現役の通関士の方々にそういった情報を発信してきた人が、他職種に比べて少ないという事の結果なのかもしれません・・・
しかし、待っていても何も変わらないですよね、何事も。
ですから、自分自身が現役の通関士となった今、自分がどんどん情報発信していこうとの思いがあるんです。
これから通関士を目指される方々には、少しでも通関士という仕事の具体的な内容などをお伝えして、実際の仕事内容についても、もっと具体的にイメージできるようになって欲しいなぁ・・・という思いでこの記事を綴ってみました。
将来、この記事を読んで今は通関士になったよ!!!
なんて方が1人でも増えれば、これほど幸いな事はありません。
現役の通関士として『あなた』と一緒に働く日が来ることを心待ちにしております。
マナビ(学び)
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