こんにちは、マナビ(学び)です。
突然ですが貿易・通関するにあたって、どんな貨物でも適切な通関手続きをすれば輸出入できると思いますか???
答えはもちろんNOです!!
輸出・輸入共に禁止されている物が関税法できちんと定められています。
今回はじゃあそれはどんな物なのか?
という所を簡単に説明していこうと思います。
尚、実際の通関士の仕事内容についてはこちら☟
目次
輸出が禁止されている貨物とは??
輸出してはならない貨物とは何か。
輸出してはならない貨物
関税法で輸出が禁止されている物品には、次の4の分野のものがあります。
- 麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤(覚せい剤原料を含む。)
- 児童ポルノ
- 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権又は育成者権を侵害する物品
- 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為(これらの号に掲げる不正競争の区分に応じて同法第19条第1項第1号から第5号まで、第7号又は第8号に定める行為を除く。)を組成する物品
これらの物品のうち、1、3又は4に掲げる物品については、税関長は、その物品を没収して廃棄することができます。(なお、3又は4に掲げる物品に該当すると認められるものについては、権利を侵害するか否かを認定する手続をとることとなっています。)また、2に掲げる物品に該当すると認められるものについては、その旨を輸出者に通知することになっています。このほか、関税法以外の法律、例えば、植物防疫法や家畜伝染予防法においても輸出が禁止されている物品がありますので、注意が必要です。(関税法第69条の2~第69条の10、第70条)税関HPより一部引用
あくまでおおまかに(これを分解していくとさらに多岐に渡ります)でですが、輸出に関してはざっくり4種類に分かれています。
不正競争防止法がちょっと分かりずらいかもしれませんが、その他のものについては貿易の経験が無い方でも、まあ当然それは禁止だろうなぁ。。というような感想を持たれる物がほとんどではないでしょうか。
不正競争防止法について詳しく知りたい方はこちら
育成者権などあまり聞いた事がないかもしれませんが、著作権などはみなさん聞いた事があると思います。そういった権利関係に関わるものを侵害する物はダメと大まかにですが、覚えておいて頂ければと思います。
尚、上記表記の通り一部、関税法以外の法律でも禁止されている物もありますので注意が必要です。
輸入が禁止されている貨物とは??
それでは輸入はどうでしょう?
輸出4種類に対して輸入は12種類あります。
輸入してはならない貨物とは
関税法で輸入が禁止されている物品には、次の12の分野のものがあります。
1 麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤(覚せい剤原料を含む。)並びにあへん吸煙具 2 指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く。) 3 拳銃、小銃、機関銃及び砲並びにこれらの銃砲弾並びに拳銃部品 4 爆発物 5 火薬類 6 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質 7 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項に規定する一種病原体等及び同条第21項に規定する二種病原体等 8 貨幣、紙幣若しくは銀行券、印紙若しくは郵便切手(郵便切手以外の郵便料金を表す証票を含む。)又は有価証券の偽造品、変造品及び模造品並びに偽造カード(生カードを含む。) 9 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品 10 児童ポルノ 11 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品 12 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為(これらの号に掲げる不正競争の区分に応じて同法第19条第1項第1号から第5号まで、第7号又は第8号に定める行為を除く。)を組成する物品 これらの物品のうち、1から8まで、11又は12に掲げる物品については、税関長は、その物品を没収して廃棄するか又はその輸入者に積戻しを命ずることができます。(なお、11又は12に掲げる物品に該当すると認められるものについては、権利を侵害するか否かを認定する手続を執ることとなっています。)
また、9又は10に掲げる物品に該当すると認められるものについては、その旨を輸入者に通知することになっています。このほか、関税法以外の法律、例えば、植物防疫法や家畜伝染病予防法においても輸入が禁止されている物品がありますので、注意が必要です。(関税法第69条の11~第69条の20、第70条)税関HPより一部引用
どうでしょう・・・?輸出に比べたら多くはなっているのですが、書いてある物自体はそう複雑な物ではなく、輸出には無い火薬や爆発物など武器や兵器になってしまうようなものなどが輸出に追加されています。
感染症に関わるような物や、いわゆる偽札関連、公安又は風俗を害すべき物など、輸出は無いものが多いですがこんな物が日本で簡単に流通したら困るよな~と考えていただければ理解しやすいのかなと思います。
権利関係はほぼ同じですが、輸出にはない回路配置利用権というものが追加されています。回路配置利用権について詳しくはこちら
輸入も同様に、関税法以外の法律でも禁止されている物もありますので注意が必要です。
輸出と輸入とでは全く同じじゃないんですね。これは関税法が日本の法律であり本来は本邦を守る為のものであると考えると、やはり日本に入ってくる(輸入)には厳しくなります。
種類こそ増えましたが、それは日本に普通に流通させたらダメでしょという目線で見て頂ければ理解しやすいと思います。
個人での貿易ビジネスやネット通販で海外から買い物したりする時は気をつけましょう
近年では、個人で貿易ビジネスで稼いだりしている方や、インターネットの通販サイトで海外の商品を購入する機会も多いのではないでしょうか。
しかし、個人が貿易ビジネスをするにしても、通販サイトを利用するにしても輸出・輸入が禁止されている貨物は絶対であり厳守しなければなりません。
その際に何が禁止物品であるのかという知識は少なからず役に立ってくるはずです。海外の売り手側が日本の法律に精通しているとは限りませんし、知っていながら・・・というような事もあるかもしれません。その際には自分自身が知識を持ってしっかりとしていなければ、知らなかったとはいえ関税法違反行為に手を貸してしまう事にもなりかねません。
間違っても、不名誉な善意の第三者にはならないでください。
例えば、高級ブランド品の偽物など。。。まぁ現実出回ってはいるみたいなんですが、腕時計であればROLEX等の高級ブランド品のコピー品、いわゆる偽物の輸入は、関税法上の商標権侵害物品に当たりますので輸入が禁止されてます。 コピー品と知っていながら輸入したりすると没収、罰せられる事もありますのでご注意を。
通関士試験にご興味のある方へ
尚、こういった貿易の事に興味があり勉強してみたいと思うのなら、日本の唯一の貿易業界の国家資格でもある、
『通関士試験』の受験をお考えになってもいいかと思います。
興味のある方は是非こちらもお読みください☟
今回は、簡単にですが輸出入してはならない貨物があって、それはどういった物なのかという事についての説明でした。
現代は、インターネットの普及によって個人でも輸出入が簡単にできてしまう時代ですから一つの知識として覚えておいて頂ければ幸いです。
マナビ(学び)
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