こんにちは、マナビ(学び)です。
今回は、通関士が日常業務で扱う、インボイス・パッキングリストについて解説していきたいと思います。
もちろんその他にも、アライバルノーティス(ARRIVAL NOTICE)、船荷証券(ふなにしょうけん)Bill of Lading、船積依頼書( シッピング・インストラクション )等々の重要な書類はあります。
しかし、インボイス・パッキングリストという書類は本当に貿易、特に通関においては基本のキともいうべき書類ですのでこの機会にどういったものか興味を持って頂ければと思います。
尚、実際の通関士の仕事内容についてはこちら☟
通関士試験の概要についてはこちら☟
目次
インボイスとは日本語では仕入書などと言われる書類の事です
インボイスとは、輸出入者の情報や貨物の商品名、金額、などなど通関手続きを行うにあたって最も基本的かつ重要な内容が記載された書類の事です。
通関士試験の教材などでは、仕入書という言葉が多用されていますがまさにそれの事です。
しかし、実際実務の現場では仕入書と言うような人はあまりいません。
インボイスと言います。実務ではこっちの言葉を覚えてください。
インターネット等で検索すればフリーのテンプレートなどを配布しているサイトなども数多くあります。
尚、インボイスは関税法上、申告に必ず必要になる書類ですのでこれ無しではそもそも申告はできません。
実際のインボイスのサンプルを見てみましょう
☝これがインボイスです。
尚こちらは日本郵便のホームページでフリーで誰でもダウンロードする事ができるものです。→こちらから
一般的と言いましたが少し注意してほしいのは、日本郵便が公開している物なので、右上上部、郵便物番号のところは通常通関士が扱う書類の場合インボイス番号となっており、支払い条件の所はT/T(Teregrafic transfer remittance 電信送金決済)など多いです。
分かりやすくする為に日本語表記のものを紹介しておりますが、通関士が実務で実際扱うのはほとんどのものが英語表記です。
しかし、どこに何を書いてあるのかという点に関しては大きな違いはありません。
そしてもう一点覚えておいて頂きたいのは、インボイス・パッキングリスト共に決まったフォーマットで必ず書かなければならないという決まりもありません。
ですので様々さサイトであらゆるデザインのテンプレートが配布されていたりするわけです。
要は、通関に必要な部分さえきちんと表記があればOKという事です。
上記テンプレートには無い部分も一部ありますが、通関に必要な表記とは、輸出者名及び住所、輸入社名及び住所、インボイス番号、支払い条件、建値(インコタームズ、CIFやFOBなど)、貨物の品名、通貨、価格、その他もろもろあるんですが、関税法上申告に必要な情報は表記しておいて頂かないと適切な輸出・輸入申告ができません。
尚、上記テンプレートでは貨物の総重量の記載もありますね。
インボイスとパッキングリストを1枚にまとめたものを実務では、インボイスパッキンと言うような言葉で呼びますが、この場合、貨物重量が分かりますのでパッキングリストが無くても申告する事はできます。
パッキングリストとは
パッキングリストとは日本語でいうと梱包明細書などい言ったりするものです
パッキングリストとは、貨物の重量、個数、ケースマークなどなど、こちらも通関手続き上非常に重要な情報が記載された明細書のようなものです。
インボイス同様絶対にこの形式で書かなければならないというような決まりはありません。
少し補足で実務上の話をすると、絶対に必要なインボイスとは違って、パッキングリスト無くても他の書類(B/Lや他の明細書等)で貨物重量が分かるような書類があれば申告する事ができます。
実際の通関の現場でもそういった書類も多いです。
ただ、もちろんあったほうが良く書類審査等になった際、税関から提示を求められ、結局荷主さんのほうに用意してもらわなければならないというような事態も多々ありますので、基本的に作成しておいたほうが良いです。
実際のパッキングリストのサンプルを見てみましょう

☝これがパッキングリストです。
こちらもフリーのサンプルです。このようにインボイスとパッキングリストは貿易ではかなりメジャーな書類であり、ネット上で検索すれば数多くのフリーのテンプレートが誰でもダウンロードできます。
実物の紙の状態のインボイスやパッキングリストを、実際目にする事は実務の仕事をなさっている方でないとなかなか無いかと思われますが、興味のある方は色々なサンプル、テンプレートなどを見てみるのも参考になるかと思います。
具体的な記載内容ですが、まず重要なのはN/WT,G/WTと表記されている部分です。
それぞれ、N/W(ネットウエイト、正味数量) G/W(グロスウエイト、総重量)の事で
- N/Wとは貨物自体のみの重量の事
- G/WとはN/W+それを梱包する木箱やパレットの重さを足した総重量の事
という意味になります。
通関の申告書にはどちらも必要で、各貨物単位での申告重量はN/Wを使う事になります。
他にはケースマーク(実際の貨物に貼られている記号・番号の事)や個数なども重要な情報です。
そして、通関士がチェックするポイントはインボイスと正誤がとれているか?
つまりインボイスが個数5と表記されているのに、パッキングリストのほうが個数6になっていたりするとまずいわけです。
インボイスとパッキングリストで表記されている情報は同じ内容で辻褄があっていなければなりません
書類というのは不備があるものです
作っているのは人間ですからね。
当然どこかにミスがあったりするケースも多い訳です。
そういった場合は作成者側に連絡をして正しい内容に書類を差し替えてもらわなければいけません。
仮に不備があるのに気づかずにそのまま申告してしまい、税関側に書類の不備を指摘されるなんて事になってしまうと大変ですし、差し替えには少し時間がかかりますので、許可までに時間が掛かってしまい、このチェック漏れが原因でスムーズな通関が行えず、結果として依頼者である荷主さんのほうにも迷惑がかかってしまいます。
通関士の仕事内容にも、品目分類や申告、検査立ち合いなど様々なものがありますがこの最初の段階での書類チェックは重要な仕事なんですね。
ここで不備を発見できず書類作成を進めてしまうと結局時間のロスとなり、通関申告上の大きなミスにも繋がり通関業者の信用にも関わってくる地味ではあるが重要な業務ということです。
通関士や貿易事務などへ転職活動を考えている方へ
特に未経験者の方に伝えたい事です!!
本記事を読んで下さっている方の中には、少なからず通関や貿易に興味を持って下さっている方がいるのではないかと思います。
ですので、少し脱線しますがこのパートを書いておきます。
将来通関士や貿易事務など、貿易に携わる仕事に就きたいな・・・
という風におぼろげながらでも、考えている方もおられるかもしれません。
そんな方に向けて・・・特にまだ未経験で自信がない・・・
こういう風に思っている方に言ってあげたいのは、
臆する必要なんか全くないんですよ!って事です。
未経験はねぇ‥なんて言われたら、
今会社でバリバリやってる人は生まれた時から経験者だったんですか??
経験がない時に学ぶ場を与えられたから今があるんじゃないんですか!?
くらいの事を思ってどんどん挑戦してみて欲しいです。
仕事なんてやりながら学んでいけばいいものだと思います。
そんなあなたを放っておく人や会社が居ない程、世の中悪くないもんですよ。
見てくれる人は、経歴や経験なんかじゃなくしっかり『あなた』を見てくれているはずですから。
心が変われば行動が変わります。
きっと何かが変わりますよ。
まずは転職サイトやエージェントには登録しておきましょう
そうは言っても具体的に何から行動していいのかわからない・・・
そんな方はまずは数多くの求人を見る、そして将来をイメージできるようになる事が、行動していく上で非常に重要な事です。
その為にも、まずはいくつかの転職サイトに登録はしておきましょう。
求人を見て、いつでも応募できるようにしておく事が大事です。
下記にいくつかメジャーな転職サイトのリンクを貼っておきます☟

Aidem Smart Agent 既卒・フリーター・第二新卒向け


現役の人間として、そんな『あなた』と一緒に働ける日が来る事を心待ちにしています!!
今回は、通関士が日ごろから扱う書類の中でも最も重要と言える、インボイスとパッキングリストというものについて簡単にですが解説してみました。
こういった書類を元に通関が行われ、最終的にはみなさんの手元にあらゆる物が流通しているという事ですね。
聞いた事がなかったというような方に、こういった書類があってこの書類を元に、日々、通関士や貿易実務関連の仕事に従事されている方が、通関手続きをやっているんですよ~
というような事を少しでも分かって頂けましたら、幸いです。
マナビ(学び)
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