こんにちは、マナビ(学び)です。
今回は、通関士の仕事に興味がある又は、通関士試験の受験を考えている(勉強中)という方々にとっての、『疑問・知りたい所』ではないかと思うのですが、
実際の通関士の仕事は、どんな人が向いていて、どんな適性がいる仕事なの??
というような疑問に、現役でこの仕事をやっている人間として、私自身の経験からですが書いてみたいと思います。
通関士という仕事や、通関士試験という資格自体がまだまだマイナーな所がある為に、実際どういった仕事をしているかをイメージしづらいのではないでしょうか??
通関士の仕事内容、通関士試験については過去記事で☟
最初に、正直な所を言ってしまえばその仕事が向いているのかどうかは、本人がやってみないと他人ではわからないというのが絶対的な事実であると思うのですが、通関士という仕事は、現役の人間の情報がなかなか掴みにくいものですので少しでも参考になればと思います。
尚、通関士試験や業界に関しては、まだまだ情報が少ないのが現状です。そこで、個別に通関士試験の勉強法や通関業界への就職等のご相談等をしてみたいという方はこちらまで☟
では、いくつか思い当たる所を。
目次
緻密な作業が苦にならない人
通関士の主な仕事は書類のチェック(審査)です
通関士の仕事は基本的にはデスクワークです。
もちろん検査立ち合いや、税関への原本の書類提出など現場に出る事も多々ありますが、会社にいれば全てを一人でやる訳ではありませんし、外を回る担当がいたり、交代で行ったりで、基本的に事務所での通関書類の作成がメインだと思って下さい。
そしてこの通関書類の作成なのですが、まずは荷主サイドからもらった書類をチェックする所からスタートです。
なぜかというとインボイスやパッキングリストに記載の数字が必ずしも正確で正しいとは限らないからです。
というよりも、間違いは多いです。。。
単純な足し算を忘れていたり、重量が変だったり。。。
そのインボイスやパッキングリストを作っているのも人間ですからね。
尚、インボイスやパッキングリストについてはこちらの記事を☟
それをまずはチェックしてから書類作成をしないと、完成しかけた所で間違いに気づいて書類の内容が全然変わってしまった。。。
なんて事になっては非常に非効率ですよね??
ですので、まずは書類が来たら数字の間違いがないかチェックです!!
そして書類に間違いはなさそうだ!!
となってからインボイスに書かれてある商品を見てその品目を分類していくわけです。
品目分類というのはHS CODEに物を割り当てていく作業ですが、過去の記事でも少し触れているのでここでは割愛致します☟
書類を作成する過程においても緻密と正確さが求められます
通関書類を作成するにあたっても、やはり緻密で正確に作っていかなければなりません。
書類は正確なのに、数字の計算間違いを自分自身がしてしまっては元も子もありませんからね。
商品が1アイテムで、実績もあるような書類だと比較的時間はかからないのですが、新規の商品や何アイテムもあって計算がかなりややこしくなり、Excel等を使って作成しなければならない書類ではそれだけ集中力が必要ですし、時間もかかります。
そうして、時間をかけて作成した書類を(完成した申告前の書類)を自分を含め他の通関士がチェックするというダブルチェック、あるいはトリプルチェックをしていって本当に間違いがないか、作成した本人だけではなく他者にも見てもらう事で、ミスを無くそうとするのが一般的です。
チェックと言ってしまえば、少し軽く聞こえるかもしれませんが、これは法律上の通関士の審査に当たりますので通関士でないとできませんし、この審査をせずに申告することは禁止されています。
最初から最後までチェックです!!
少し分かって頂けたでしょうか?
書類を受けてから、作成し、申告して許可を得るまでが主な通関士の仕事ですが最初から最後までチェック、チェック、チェック。。。
本当に黙々とやるような作業になりますので、黙々と緻密に作業したいという方には合っているのではないかと思います。
その他にも気にしなければいけない部分は多々あって、他法令や評価、原産地の確認、などなど一つの書類においてチェックしなければならない事は非常に多く、それを緻密にこなしていくのが通関士の仕事でもあるのです。
あらゆる商品=物に興味が持てる人
輸出入される商品の種類は多岐に渡ります
そうなんです、考えてみてください。輸出入されている商品が現代どれだけあるでしょうか?
きっとみなさんが普段使っている身の回りの物も、外国製品である事は少なくないと思います。
そして日本産の物もたくさん海外のあらゆる場所で使われていますよね。
こういったあらゆる『物』を通関するのが通関士なのですから、当然に商品知識というものが必要になってくるんです。
この部分は、関税法がどうとか法律的な知識と言うよりも単純にその『物』に対する知識です。
食品からケミカル、プラスチックやゴム製品、繊維、衣類、ガラス、鉄鋼、機械、車、化粧品。。。。
とこの辺にしておきますが、実際荷主さんがどんな商品を輸出入するかは我々通関士が関知する所ではありません。
もちろん、この荷主さんは、機械類ばかりを輸出していて、商品分類の実績も多々あるのでスムーズに書類作成が進むという事も多いのですが、当然自分が今まで扱った事の無い商品の書類を、担当する事もあります。
その時に必要なのが、単純にその『物』の知識になってくる訳です。
この知識が無いとそもそも商品分類ができませんよね。
多岐に渡る商品知識は地道に理解していくしか無い
いきなり世に溢れる商品全ての知識を持つ事など、一人の人間には不可能です。
ですので、地道でいいんです。
一つずつ先輩に聞いたり、自分でネットや書籍を見て調べたりしながらその商品の分野く詳しくなっていくものなんです。
例えば、機械類の輸出入が多い会社に入れば、今まで知らなかった工作機械や、機械要素などの部品関係などに携わる事になるでしょう。
そこで最初は分からない所からスタートですが、物に『興味を持って!』学んでいけばいづれはその商品の分野のスペシャリストになります。
そうやって、先輩の通関士の方々もいろんな『物』について詳しくなってきたんですから。
商品知識は一気にではなく一つの分野ごとで構わない
そうです、一つづつ詳しくなっていけばいいんです。
いきなり未経験の人間に、多岐に渡る専門的な商品知識を要求するような会社なら、それは無理というものです。
先輩方もそれは重々承知してくれているはずです。
機械類についてある程度くわしくなってきたな!と自信がついてきたら、
次は繊維関係の商品、そのまた次は衣類関係。。。
という風に自分の知識を一つ深めては、また新しい分野の商品の知識を深めていく、これを何年もかけてやっていけばいいんです。
続けて学んでいけさえすれば、必ず『わかる』ようになります!!
重要なのはこれから『物』の見方を変えて、世に溢れている商品について興味を持って接してみる事です。
仕事でも日常でも物に触れない日などないのですから、これは分類するとしたらどこなんだろう??とか、今まで意識していなかったけれどこれはこういう仕組みでできてるんだ!!とかそういう風に自然となっていくと、
『あなたは通関の仕事に向いている人』ではないかと思います。
これが一番大事なポイントかなと、個人的には思います。
転職サイトやエージェントを利用してみよう
通関士の仕事に興味はあるけれど、具体的に何から行動していいのかわからない・・・
そんな方はぜひ実際の通関関係の求人を見てみて下さい。
その為にも、まずはいくつかの転職サイトに登録はしておきましょう。
求人を見て、実際の求人の条件などなど、より具体的にイメージできるようになってくると思います。
下記にいくつかメジャーな転職サイトのリンクを貼っておきます☟


Aidem Smart Agent 既卒・フリーター・第二新卒向け

尚、未経験からの通関士への就職・転職についてはこちらの記事で☟
緻密に正確に!そして商品について興味を持とう!!
あくまで、私一人の個人的な見解ですが、実際自分が日々通関士として仕事をしていて感じる事を書いてみました。
でも、あまり難しく考えないでください!!
こんな事すら知らずに、分からずに、無知な状態でこの業界に飛び込んだのが私自身ですから。。。
あれこれ考えず、いざやってみて、自分自身が経験していけばなんとかなるものです。
未経験での仕事に飛び込む事は少し勇気のいる事ですが、せっかくあなたが興味を持った分野があるのなら、やって見て下さい。
本当は、興味を持ったという時点で、
『あなたはこの仕事に向いてますよ』と言ってあげたいくらいなんです。
人生の大半を仕事に費やす事になるのなら、『自分が興味を持ったというその事自体』を大切にして欲しいなと思います。
これは通関士の仕事の話だけではなくて、これから新たな分野に挑戦しようか迷っている方がいるのなら、『興味を持った』のならその分野の才能があると信じてみて欲しいと思います。
人の時間は無限ではなく、過ぎ去っていくものですからね。
以上、今回は通関士の仕事について、情報が少ないが為に自分はこの仕事に向いてるのか判断ができないな。。。
と言う方も沢山おられるのではないかという思いから、私の思う所を書かせて頂きました。
でも、私が言った事にとらわれないでください!!
極論、自分が向いている、できる!と思えばそれでいいんです!!
一人でも多くの方が興味を持って通関士を目指してくれる事を心から願っています。
マナビ(学び)
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